渡辺美樹の悪いところが理解できないって何故ですか?

渡辺美樹をディスって満足か? - 木更津のザッカーバーグ

一瞬罵って終わりにしようかなって思いましたが、今日はなんとなく優しい気持ちなので、ちょっとおかしいところに突っ込んでみます。

この記事は渡辺美樹の判断基準が間違ってるって言いたいんだろうけど、ぶっちゃけ、長期的・大局的な視野で見たとき、渡辺美樹は間違っていない。

間違っているのは、目先の利益しか見えてない民衆の方だ。

すごいですね。しょっぱなから間違っています。目先の利益しか考えていないのは渡辺美樹のほうです。2秒ぐらい考えると教養のある大人は理解できますが、この世にあるすべての企業が渡辺美樹のような方針で経営してしまったら、まともな消費者がいなくなってすべて共倒れになります。目先の利益しか考えていないから、渡辺美樹はこんな本来は自殺的な経営を行うことが出来るのです。

今の日本がまだそうなっていないのは、渡辺美樹ほど悪辣な経営が行われていない企業がまだある程度存在するからです。

外食産業は、日本国内の景気というよりも、一般民衆の懐具合に大いに左右される脆弱な、自虐的に言えば寄生的な産業であるという面を持ちます。渡辺美樹は、彼のように労働者を外食も出来ないぐらいに使いつぶさない企業の経営努力にフリーライドしているのです。

もっと言えば、枝豆が500円の和民にお前ら行くのか?結局隣の笑笑に行くんじゃないのか?

すいません。僕は最初から和民なんて行きません。枝豆が500円のバーに行きます。一緒にしないでください。

渡辺美樹も同じだ。

引用先の記事をマネて言えば、弱者救済を切り捨てたわけではなく、弱者救済のためのゴールが、実は世界で勝つことだったわけだ。

飲食店業が世界で勝つ?世界で戦う?まったく意味が分かりません。具体的にどうやって世界で勝つのか分かっていて物を書いていますか?

基本的に飲食店業というのはドメスティックな産業で、グローバルな国際競争にさらされる産業ではありません。中国やブラジルの動向よりも、隣の競合店の心配をするべき産業です。地域一番店になればそれで多くの場合は勝ち組なわけです。渡辺美樹は基本的には世界で戦ってなどいません。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-0c56.html

上の記事をよく読んで理解して欲しいのですが、本当の意味でグローバルな戦いをしている製造業は厳しいリストラなどを行いつつも、賃金水準をある程度守ろうとしているのに反して、飲食業を筆頭としたサービス業が、悪く言えば尻馬に乗って賃金水準を下げているという事実が理解できるでしょう。

渡辺美樹のような飲食店の経営者は、自分の利益を上げるために従業員の賃金を下げるだけ下げて日本の景気を悪化させているという見方も可能なわけです。

私はワタミのような存在は日本の飲食産業が持っているポテンシャルを出し切れない原因の一つと考えているのですが、今の飲食業をある意味低く見ているこの人のような方からすると違うのですかね。