僕がお勧めしたいちょっと贅沢(5000円前後)シングルモルト3本 〜スペイサイド編〜

いよいよシングルモルト編に突入したいと思います。紹介しまくると結局全部とか言う話になってしまいそうですので、3本縛りという制限ははずさないで行きます。

2chの「http://burusoku-vip.com/archives/1616327.html」この手のスレッドでは、僕的には納得いかない「お勧め」が出まくるので、そういう意味で、僕的に納得しているモルトを紹介したいというのが趣旨の一つです。また、これまで同様、飲んだことがあり、そして、そこそこに手ごろなものだけに縛っていきます。

シングルモルトの手始めとして、日本人好みといえるであろうスペイサイドからはじめたいと思います。

スコッチウイスキーの生産地は、

  1. スペイサイド
  2. ハイランド
  3. アイラ
  4. キャンベルタウン
  5. ローランド
  6. アイランズ

の六つに分かれます。そのそれぞれの地方ごとに個性はまったく違うものウイスキーが造られています。もちろんさらにその地方の蒸留所ごとに個性の違いもあるのですが、その地方の傾向というものはあります。

スペイサイドは、スペイ川流域を指し、その個性は、

豊潤でエレガントな風味とキレのよいピート香が特徴。全体的に飲みやすいものが多い。


知識ゼロからのシングル・モルトウイスキー入門 21p.

とされています。

では、僕のとっておきの3本をご紹介します。


1.ザ・バルヴェニー 12年ダブルウッド

The Balvenie 2011, luxorium

僅かに赤みがかった琥珀色をした美しい液体。バルヴェニーという名は、ゲール語で「山の麗の集落」を意味します。*1フルーティーな甘みとスパイシーさ、そして長い余韻を楽しめるウイスキーです。

ダブルウッドというのは、バーボン樽の後にシェリー樽で熟成した、二つの種類のたるを使って仕込んでいることを意味します。

バルヴェニー蒸留所は、世界一の販売量を持つシングルモルトグレンフィディックの第二蒸留所(同じ敷地内にある)で、バルヴェニーグレンフィディックの弟分ということもできるでしょう。

2.グレンファークラス 15年

GLENFARCLAS

グレンファークラスとは「緑の草の生い茂る谷間」を意味するゲール語です。エイジに関してはいろいろな意見があるでしょうが、僕は15年を推します。本グレンファークラス蒸留所は、1865年以来、グレンフィディック蒸留所を経営するグラント一族が所有しています。

現在、スコットランドの多くの蒸留所は、サントリーを始めとする大手メーカーの傘下に入ってしまっていますが、グラント一族は現在でも家族経営を続け独立を維持しています。

とにかく重厚な味わい。ドンと重いのをもらった後に、長い長い長い長い甘い余韻が残ります。全部飲み干してしまったら、グラスに手を当てて暫く置いてから手を離して鼻を近づけてみてください。この残り香(グラスアロマ)だけで三杯はいけます(何が?)ワンショットで30分ぐらいは楽しめるモルトです。

3.グレンロセス 1995

Glenrothes vintage 1972 1984

グレンロセスの名は、蒸留所のあるローゼスの町から「ロセスの谷」という意味で付けられたものでしょう。ローゼスは日本のウイスキーとも関連が深い土地で、日本のウイスキーの父竹鶴政孝ウイスキー造りを学んだ土地でもあるのです。

このグレンロセスウイスキーでは珍しく、ワインのようにヴィンテージが記されています。ヴィンテージごとに微妙に違う味わいがあるのもグレンロセスの特徴です。

グレンロセス蒸留所は、

グレンロセス蒸留所は1879年、当時マッカランのオーナーによって、マッカランよりもエレガントでバランスの良いウィスキーを作るというコンセプトのもとで、建設された。

http://www.sapporobeer.jp/product/liquor/glenrothes/index.html

と伝えられています。ほとんどがブレンデット用に出荷され、僅か数パーセントだけがシングルモルトとしてリリースされます。カティサークの重要なキーモルトでもあります。

味わいはバニラと柑橘系の甘み。このモルトも長い余韻が楽しめます。

こうしてまとめてみると、自分が如何にグラント一族にしてやられているのかが分かりますね。でも、グランツは勘弁してね。

*1:シングルモルトの名は、英語ではなく、スコットランドでもともと話されていたゲール語で名づけられたものが多い